マリアちゃんと鬼ごっこ
……ブーブーブー。
と、その時。握っていたスマホが震え始めた。スマホが鳴るということはマリアが近くいる証拠。一気に緊張感が走る。
「な、永人……」
三花が俺の袖をぎゅっと握ってきた。ライト代わりにしてたせいで三花のスマホは電池が切れていた。
俺はあと20パーセント残ってるけど、もしもこのスマホまで使えなくなったらマリアの位置情報がわからなくなる。想像しただけでゾッとした。
「きゃああっ……!」
「だ、誰か助けて……ぐふっ」
空を通じて叫び声がどこからか聞こえていた。アプリを見ると100メートル先には青色の点滅がふたつあり、それは畑泰宏と木村ひとみだった。
助けにいく暇もなくマリアの側にあった点滅が消えて、代わりにふたりの顔に×マークが追加されていた。
また仲間が、死んだ。
これで残っているクラスメイトは俺も入れて十四人。
ちょうど半分になってしまった
「畑くんと木村さん。嘘でしょう……」
先生が苦しそうに胸を押さえていた。
ふたりの元に向かっても、俺たちにはなにもできない。俺にできるのはマリアから逃げることだけだ。
「行こう。自分の命を守るために」
後ろ髪を引かれながら、懸命に地面を蹴って走り出した。