まるでSFのようだった
僕らの人生は、まるでSFのようだった。

あれは確か、僕が小学3年生の時のことだったと思う。

ある日突然、誰も見たことがない、奇妙な生物がいくつも出現した。

他国からしたら幸運だったのだろうけれど、それはよりにもよってこの日本の、しかも首都であった東京を踏み荒らした。

1日で何千人という人が得体の知れない恐怖に追われ、傷つき、そして命を奪われた。

東京はもはや首都として機能しなくなり、行政の役割は大阪へと移され、関東と呼ばれていた地方に住んでいた人々は、疎開を余儀なくされた。

親族が地方にいる者はまだしも、疎開先が見つからなかったり、間に合わなかったりして、結局彼奴らに殺されてしまう人も多かったと言う。

僕は先祖代々東京とは全く縁のない田舎に住んでいたため、まるで他人事のようにテレビ画面を見つめていたのを覚えている。

日本の中枢が潰れたことで、経済が回らなくなり、物価は高騰し、とにかく大人は大変だったのだろう。

ただ、あの頃の僕たちは、少なくとも僕は、そんなことの根本すら全く理解できない、小さな小さな子供だった。
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