パントゥーフル ~スリッパの乱~
僕の好きな洋食店とは、昔、会社から少し歩いた路地裏にあった隠れ家的な店だ。
美樹と僕は会社で出会ったのだが、付き合いたての頃、僕は30代前半。大きなプロジェクトのマネージャーを任され、課長への昇格試験も控えていて、めちゃくちゃ忙しかった。
それこそデートする時間もなかなかなくて、かわりに週2日、昼休みにその店で落ち合った。
隅っこの小さなテーブルでランチする時だけが、2人きりになれる貴重な時間だったのだ。
マスターが作るハンバーグはすごくおいしくて、美樹には笑われたけど、僕はたいていハンバーグセットを注文した。
美樹はあの店のミニパフェが気に入って、パスタやリゾットと一緒によく食べていたっけ。底にチーズケーキのダイスが入って上には生クリームとイチゴがのっていた。
今思えばB級グルメだけれど、若かった僕らにはそれで充分だった。
美樹と僕は会社で出会ったのだが、付き合いたての頃、僕は30代前半。大きなプロジェクトのマネージャーを任され、課長への昇格試験も控えていて、めちゃくちゃ忙しかった。
それこそデートする時間もなかなかなくて、かわりに週2日、昼休みにその店で落ち合った。
隅っこの小さなテーブルでランチする時だけが、2人きりになれる貴重な時間だったのだ。
マスターが作るハンバーグはすごくおいしくて、美樹には笑われたけど、僕はたいていハンバーグセットを注文した。
美樹はあの店のミニパフェが気に入って、パスタやリゾットと一緒によく食べていたっけ。底にチーズケーキのダイスが入って上には生クリームとイチゴがのっていた。
今思えばB級グルメだけれど、若かった僕らにはそれで充分だった。