パントゥーフル ~スリッパの乱~
これは、しぶしぶの謝罪なんかじゃない。

互いに大好きだったあの頃の、思い出のランチを再現して、美樹が僕に伝えたいのは、きっと。

――好き。今も大好き――

これは、美樹が思いのたけを込めたラブレターだ。
でも、それを正面切って伝えることはできなくて、だから白いご飯で覆い隠したのだろう。

そのいじらしさに、僕は完全にやられた。
今すぐ飛んで帰って美樹を抱きしめたかった。


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