2番目の恋
「おっしゃー。」

階段を登り終える。

「ありがとう、すごいじゃん。」

自然と口から出る。

「どこ行くの、このあと。」
「桜ヶ丘公園ってとこ。花がキレイらしいじゃん?」
「ああ、じゃあバスプールはこっちだわ。」

笹崎が出口に向かって歩き出す。

「え、バス?バスは嫌だ。」

私が止める。

「ん?何で行くの?タクシー?」
「歩いて行く。」
「はあ?」

口調が全然変わらない。
懐かしい「はあ?」。

「変わらないね、笹崎。」
「何が?」
「その『はあ?』って言うの、懐かしい。」
「だから、歩いて行くの?バカか、お前は!あそこ山の上だぞ?坂道すげえんだぞ?」

結局、なぜか笹崎も一緒に山の上の桜ヶ丘公園まで行くことになった。

暇人。

駅を出ると、遠くからでも山の上に公園らしきものが見える。

「よーし、頑張るぞー。」

一人張り切る私。

「絶対バスの方がいいと思うけどなー。」

笹崎が大きな独り言を言う。

「じゃあ別についてこなくていいよ。」
「面白そうだから行くよ。果たして本当に公園に行けるのか。」

笹崎がいじわるな笑顔を向ける。

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