幸福音
「瀬川くん!」



俺の名前を呼びながら、席に走り近寄ってきたクラスメイト。

椎名…。

下の名前は忘れた。


金髪頭で制服のブラウスを第二ボタンまで開けていて。

スカートもパンツが見えるんじゃないかって短い。

見た目はギャル。

ギャル以外の何者でもない。


だけど。

口を開けば、耳が溶けてしてしまうんじゃないかってくらい、声が可愛い。

見た目と声のギャップが凄すぎる。

違和感しかない。

まるで不協和音。



「ねえっ! 聞いてる!?」



目をつむれば、それこそ妄想のオカズになりそうなものなのに。

ああ、妄想といっても俺はピュアな妄想をしているんだ。

勘違いしないでくれ。



「瀬川くんってば!」



バンッ! と机が叩かれる。

机、痛がっているだろうな。

だけど、椎名に話しかけられている俺に刺さる視線も痛い。

これでも椎名はクラスのマドンナ的存在なのだから。

そんな奴がどうして俺に絡むんだ?
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