1人で頑張らなくてもいいんだよ、俺にも頼ってよ
土手での出会い


同じ中学の森田剣也(もりたけんや)
サッカー部で一緒にやってきた友達だ

顔がいいし、女の子に優しいからモテる

高校はまだ知らない人が多いけど
中学では学年1モテたのは間違いない

サッカーは上手いし、真剣にしてるけど
女の子関係がチャラい

何人もの彼女を見てきた

足を痛めてから部活はもういいかと思っていたけど誘われるとやりたくなる

ちょっと走ってみるか……



海斗は土曜日に土手まで走りに来ていた

走っていると子供達がサッカーボールを蹴っていた

あれ?成田?

少し先に土手を下りる階段があり、そこから走って下りていく

「おーい、成田」

「あれ?海斗くん」

「サッカーしてたのか?」

菜々美はジャージ姿だった

「うん、弟が好きでね、時々遊びに来るの
海斗くんはランニング?」

「うん、この間剣也が教室に来ただろ?
サッカー部の勧誘にきてさ」

「あー、なるほど、サッカーしてたんだね」


「お兄ちゃんはサッカーするの?」

男の子が声をかけてきた

「おう!一緒にするか?」

「いいの!?」

「じゃあ、やろうか、名前は?」

「健(けん)」

「よし、じゃあ、健、やろう!」

「やったー」

2人はボールを蹴り始めた

「琴(こと)もやりたい〜」

もっと小さな女の子が泣き出した

わ〜ん、わ〜ん

「琴ちゃん、順番ね」

菜々美がなだめる

海斗が走ってきた

「ごめん!琴ちゃん?交代な、ちゃんと琴ちゃんとも遊ぶから待ってて」

「琴が先ーー」

海斗は困っていた

「琴ちゃんはお姉ちゃんと一緒にジュース買いに行こう!」

「ジュース!?」

「うん、行こうね」

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