1人で頑張らなくてもいいんだよ、俺にも頼ってよ


「朝香は掌を少し怪我して絆創膏を貼ったのよ」

美咲が引っ張っていた手を海斗に見せた

まあ、それくらいならいいけど

後ろでは明日香が菜々美の腕を組んで歩いていた


「海斗くん、ちょうどよかった
菜々美をおぶってよ」

「えっ!明日香何言ってんの、大丈夫だよ
歩いてるし」

「成田が怪我したのか?」

「朝香の下敷きになったからねー」

「でも、リュックがあったから大丈夫だったよ」

「足がね……あっ、美咲と朝香は足止めないで先に歩いててよ
すぐ追いつくから」

「はーい」

明日香が菜々美の手を外して足首を触る

「……っ」

明日香が海斗に説明している



あーあ、ドジったなぁ
痛いし……湿布って家にあったかな

2人に足首を触られ痛いんだけど……って

菜々美の前に海斗くんがしゃがんで背中を見せた

明日香が菜々美の荷物を肩から外す

「乗って、菜々美」

「いや、私重いし、あと少しだから歩くよ」


「菜々美の足首はね、もう色が変わってるからひどいと思うのよ
痛いでしょ?」


菜々美は頷いた

「先生が海斗くんに様子を見させに来たってことは、ほぼ全員がゴールをしてる訳」

「……うん」

「みんなに迷惑かけるでしょ?」

「乗って!成田
ゴール近くまできたら下ろすから4人でゴールしろよな」

菜々美はゆっくりと海斗の背中に乗った

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