1人で頑張らなくてもいいんだよ、俺にも頼ってよ
初めての夜あそび


「いや、夜あそびって高校生だって補導されるからな」

「そうなの?知らなかった」

「間違って酒飲んでないよな?」

「うん!楽しくてテンションあがっちゃってる」

「そっか……はぁ…送るよ」

「ため息つくなら送ってくれなくてもいいよ

1人で帰れるもん」

菜々美は海斗の横をスーッと通って歩き出した



「送るのが嫌でため息をついたわけじゃないよ悪かった……行こう」

2人で歩き始める


「初めての打ち上げは楽しかった?」

「うん、楽しかったけど、楽しくなかった」

「どういう事?」

「この間から海斗くんが機嫌が悪いんだもん」

「俺、機嫌が悪い?」

「うん、私のせい?」



「……いや、俺だな、確かにこの間からイラついている俺がいるかも……
なるべく出さないようにはしてるけど」

「わかるよ、琴ちゃんと健くんの話は嬉しそうに聞いてくれてたのに……

でも私が剣也くんの事をかばったからだよね
あの時はごめん、中学校の事なんて私はよく知らないのに……」


「…………」

また黙る……

海斗くんの癖かな


自分でもよくわからないんだよなぁ、何でイラついているのか……

菜々美に返事はせずに海斗は考えていた




道路をバイクが凄いスピードで通り過ぎたと思ったらキキィーと音を立てた

海斗は音のした方向を向くとバイクは転けていた

「危ないなぁ、スピードの出しすぎだよ
カーブを曲がれなかったみたいだな」


菜々美は両耳を押さえて震えていた

「おい、大丈夫か?」

「いや、嫌なの……バイクの倒れる音、嫌ー!」

< 50 / 220 >

この作品をシェア

pagetop