今さら本物の聖女といわれてももう遅い!妹に全てを奪われたので、隣国で自由に生きます
しかし、私が自らを聖女と言ったことにどう対応していいか分からないようだった。この国において聖女という立ち位置は王族と同等の立場にある。当然だ。聖女はその力を使って国を守ってるのだから。

だから、万が一私が聖女だったとしたら余計な手出しができないのである。恐らくそろそろ国王が呼ばれてくる頃だろう。その前に、決着をつけておきたい。

「殿下、これは飴です」

私はそう言いながらポケットから袋をひとつ取り出した。中には色とりどりの飴が入っている。私は殿下にそれを見せながら淑女らしい微笑みを乗せて彼に言った。
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