愛され、溶かされ、壊される
予約
「ここ、素敵!」
「あぁ、ほんとだ!景色も超いいね!」

昼休み、私達は女子社員数人で、ある雑誌を見ている。
今日竜くんは、外回りがあるのでお昼ごはんは別々だ。
「でもこんなとこ、なかなか入れないよね?」
「だよね…!」
私達が見ている雑誌には、ホワイトデー特集とゆうのがあって、色々な高級レストランが載っている。

「ほんと素敵。綺麗…」
と呟くと、
「だったら、王様に連れてってもらえば?」
と加那ちゃんが言ってきた。
「え?王様って、竜くんのこと?」
「そうだよ。福井様よ!」
「もう!だから竜くんは王様じゃないって!」
「いいじゃん!別に」
なぜか加那ちゃんは竜くんのことを“王様”と言うのだ。さすがに本人の前では言わないけど。

「でも、こんな高いとこ……」
「いいんじゃない?バレンタインの時葵、身体あげたんだから!」
「ちょっ…加那ちゃん/////」
「へぇ、濱野さん、そうなんだぁ////」
「あ、いや、その……」
は、恥ずかしい…………

「濱野さん、顔真っ赤だ!可愛い!」
「ちょっ…恥ずかしいから、やめて…」
最近よく、竜くんとのことをからかわれる。
「あっ、これよく見て!
イケメンシェフだって!」
「え?どこどこ?」
みんなが見入っている。
「ほらっ、濱野さんも見て!」
「うん」
「―――」
いや、竜くんの方がカッコいいな…

「竜くんの方がカッコいいなぁー」

「へ?」
「って顔してたよ、葵」
嘘!?バレてた。
「いや、別に…」
「まぁ、それは確かにそうかも…?」
「福井さん、カッコいいもんね」

みんなそれぞれに色々言ってる。

「まぁ、どっちにしても葵?」
「ん?」
「言ってみたら?」
「言うのはタダでしょ?」

言えたら、言ってみようかな…?
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