愛され、溶かされ、壊される
本性
「今日から三井くんの代わりに移動になった、新浜 武司くんだ」
「今日からよろしくお願いします」

チラッと竜くんを見ると、何の感情もないような顔をしていた。
そして竜くんと目が合った。
するとニコッと笑ってくれた。
私も自然に笑顔になる。
良かった…いつもの竜くんだ。
なんだかこの前から、竜くん以外の(特に男性の)名前を出すだけで、物凄く怒るのだ。

「あおちゃん、だめだよ!あおちゃんの口は僕の名前しか言っちゃダメなんだよ…」
と言って、親指を私の口の中に突っ込むのだ。


さすがに加那ちゃんに
「別れな!」
と言われるが、その時にはもう私の方が竜くんなしでは生きれなくなっていた。

「はまちゃん!」
「え?新浜くん?」
「今日ちょっと時間もらえない?」
「え…あ、ごめんね…無理なの…」
「どうして?」
「彼が怒るから…」
「怒るってちょっと話するだけだよ!」
「でも…」

「嫌がってるでしょ?やめてよ!新浜さん!」
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