成瀬くんと秘密の教室で××の特訓を♥
「行こう、由紀。失礼な奴らの相手なんかする必要ないよ」
「良太」

 服の袖を強引に引っ張る良太に思わずうちは従う。

 しばらくして、人気のない廊下で立ち止まるうちら。

「……ありがとう良太」

 ボソボソとうちは、目そらし気味に良太に言った。だけど。

「? 何が?」

 良太はこの前と同じように、何故言われたかわからないという様子で返してくる。

(…………)

 トクン、トクンと心臓の音が静かに響く。

 ……ああ、だめだ。うち……良太に惹かれてしまってるかも知れない。

 良太の特訓のために、女の子に免疫をつけてあげるためだけの仲なのに……。

(なんで、こんなに好きになっちゃったの……?)

 嫌だ。こんな気持ち、知られたくない。知られたらきっと、ほかの女の子みたいに怖がられて、一緒に居てもらえ句なってしまう。

 だから。

 ……この苦くて苦しい甘ったるい気持ちには、しっかりと蓋をして忘れようと決意したのだった。
< 36 / 36 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

青春の花は素顔に咲く

総文字数/109,725

青春・友情311ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
不細工なあたしは、きっとありのままじゃ受け入れられない。 だから、心も見た目も武装する。 そう。「ゴスロリ」を着て……。 だけどある日、今時リーゼントにサングラスのヤンキー男子の世話を頼まれてしまう……だけど、彼は国民的アイドルだった!? 秘密を抱える彼は、あたしに勉強を教えてと願うけど……?

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop