闇に堕ちる聖女 ―逢瀬は夢の中で―
エピローグ
 封印の補強を施すという理由で時折レイがやって来る以外、レスカーテとトルトゥーラは睦み合って過ごしていた。

 魔王は封印され、聖女は子を産んだものの、産後の肥立ちが悪く命を落とした……という事に対外的にはなっている。

 宅配便よろしく現れるレイはいつ来ても『仲の良さそう』な元魔王と元聖女に半ばあきれつつ、しかし聖女レスカーテが体を張って魔王を閉じ込めているとも思えて少し複雑な思いになるのだった。

 メーディカは変わらない。元々社交的な事を好むところでは無く、出産以降は子供を溺愛して幸せそうだ。レイが嫉妬しそうになるほどに。

 レイとして少しばかり気がかりなのは、魔王と聖女は子を成せるかどうかというところだった。

 魔族である魔王と、人である聖女。体の作りは大きく異ならないのか、営みについては人との違いは無いのだろうとレイは予測している。

 レスカーテが、驚くほど艶めいて美しくなっているところから見ても、よどみなく営まれているだろう行為の先にある結果について、魔王と聖女がどう考えているのか。

 勇者は確かめられずに居た。

 今となっては快適な場所となった地下の宮殿には、元魔王と元聖女が居て、今もなお、互いしか見ておらず、愛の営みが続いている、今はそれでいいと思う事にした。

(終)
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