闇に堕ちる聖女 ―逢瀬は夢の中で―
 明るくなる頃、メーディカは一人でどこからか戻ってきた。どこか遠くに行った様子も無く、邸内のどこかに隠れていたのではないかと思われた。

 そして、客人としてたった一人で朝食を終えたレスカーテは、再びレイの元に呼び出された。呼び出されたのは最初の大きな絵のある広間ではなくて、メーディカの部屋だった。二人の看護婦はおらず、メーディカはベッドから半身を起こしているような状況で、その横の椅子にレイ。少し離れたソファにレスカーテという状況だった。

 およそ、婚約者同士の距離とは思えない。

 メーディカの方がよほどレイの妻のように、レスカーテには見えた。

「事情をお話しましょう」

 並んでいるとレイとメーディカは本当に似合いの一対であった。金色と金色。白と白。美しい一対。

「……メーディカは身籠っています」

 レイはメーディカの方を一瞥もせずにレスカーテだけを見たまま言った。

「魔王の子だと思われます」

 続くレイの言葉にレスカーテは驚いた。想像もしていない事だった。
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