幼馴染に恋をして(心愛ver)

自分の居場所が無いと思った小学校も時間が経てば自然と友達も出来たが、
集団登校のその場所だけは誰にも譲りたくなかった。

それが恋だと気が付いたのは小学校三年生の時。

その朝もいつもと変わらない朝だった。
私が話して彼が相槌をうつ。

でもこの日の私は前日に見たバラエティ番組がツボにはまり、
その事を彼に解ってもらいたくて必死に説明していた。

あまりにも反応が薄いので「バラエティ嫌い?」と聞く

「いや、昨日は違う番組観ていたから・・」
「なに観ていたの?」
「高校生の出ているクイズ番組」
「クイズ好きなの?」
「好きって言うか行きたい学校が出ていたから・・」
「なんて言う学校?」
「明応学園」
「知らない~」と言う私に苦笑いの彼・・

でもこの時の学校名を私は忘れる事は出来なかった。

そして両親に聞くと「中高大一貫校で有名よ」と言われ

もしかしたら彼はその中学に行きたいのでは?と不安になった。

その瞬間、中学も彼と並んで登校したいと
切に願っている自分を自覚した。

彼の隣を自分以外の誰かが歩くのを想像して胸が痛んだ。

その時から私は彼の特別になりたかった。

だから一生懸命 朝の一時に会話をして彼の好きな物、
好きな食べ物なんでも知りたがった。

四年生になり同じクラスになった時は狂喜乱舞し母に怪訝な顔をされた。

私はこの時に決めていた 他の誰よりも彼と親しくなる

 その為に幾つものプランを練っていた。

まず彼の事を「海斗」と呼ぶ。

これは必須。

男女問わず彼が「海斗」と呼ばれているのを私は知らない。

幼馴染の私なら出来ると思っていたし、しないとならない。

私が彼の特別になる為に。
< 2 / 38 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop