闇夜に咲く芍薬のように



「どうしたら…いいの?」



蚊の鳴くような声でそう問うのがやっとだ。



「ーーー…私はこの皇都の“見張り役”だ。
もしキミが捕まらない方法があるとすれば、それはこの屋敷で、私に監視されることだ。」



彼の放つ芳しい色香と、私の思考を侵食するような声色にごくりと唾を呑む。



「恋人としてね。」



羅陽ルオヤンはそう言って、不自然なほど爽やかな笑みを浮かべた。

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