闇夜に咲く芍薬のように
恋人たちの朝





「ん…。」



鳥のさえずりと顔を照らす柔らかい光に瞼を開ける。


目の前にはベールの垂れた豪奢な天蓋。
すぐ横にある窓からは朝の光が差し込んでいた。



ーーそうだ。私、異世界に来ちゃったんだ。


自分でも驚くほど落ち着いていて、イマイチ実感がわかないけれど…。



そんなことを考えていると、背中の方から、ギシっとマットレス?が鳴るよう音がした。


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