闇夜に咲く芍薬のように
古の都



倉庫と思わしき場所を出た私は、目の前に広がる街に驚いて目を見開いた。



先が反り上がった瓦屋根の稜線に、シンプルな幾何学模様の格子窓。


扉や軒下の細部に使われた朱が特徴的な中国建築の建物がずらりと並んでいる。




ーーなにこの街…。



街の人々は私を抱える彼と同じような中華風の服を着ている。

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