婚約破棄されたけど隣国の王子様と飛空艇で世界旅行してる私は超勝ち組!?
フロアに下りてファイサル船長のいる席まで行くと、また違った景色が見えた。まるで海の底に沈んだような、幻想的な風景だ。


「お疲れ様です」

「ああ、君も。眠れないのか?」

「はい」


ファイサル船長はそこで給仕を呼び止めて、私の飲み物を頼んだ。
運ばれてきたのは黄色と白の、二層の飲み物。


「酒じゃないから、安心してどうぞ」

「あ、ありがとうございます」


ファイサル船長が優しく微笑む。
口に含むと爽やかな柑橘系の酸味が弾けた。


「うわ……美味しい!」
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