婚約破棄されたけど隣国の王子様と飛空艇で世界旅行してる私は超勝ち組!?

深海の恋人たち

また一口カクテルを飲んで、ファイサル船長は穏やかな笑みで頷いた。


「それなら、応援するよ」

「応援って……」

「相談にのるとか、ふたりきりになれるよう人を動かすとか」


本当に具体的な応援だったか。
なんだかすごい。力強い。


「でも、どうしたらいいかわかりません。私、こういうの、初めてで……」

「君は君のままでいたらいい。殿下に愛でられるまま、素直に、心のままに」

「……はあ」

「頑張っちゃ駄目だ。君は何かをプラスしなきゃいけないような女性じゃない。君はダリヤという星。君が君でいるからこそ輝くんだよ」

「わかり、ました……」
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