婚約破棄されたけど隣国の王子様と飛空艇で世界旅行してる私は超勝ち組!?
「!!!」

「おお、目が2倍の大きさになっているな」


バスィーム王子がいた。


「!? !? !?」

「どうした。俺が珍しいか」


えっと……そんな事ある?
 
あんまり惨めな現実にとうとう頭がおかしくなって、立ちながら夢をみているのかな? 
いくらなんでも、唐突に話しかけてこないでしょう。王子様は。


「バラム王国、第三王子バスィームだ」


名乗った。
歯が、めっちゃ白い。
 

「お前は〈破談のダリヤ〉だな。噂は聞いている」


知られてるし。
っていうか、噂になっている事をそれとなく教えないでほしい。

破談のダリヤって……なに。


「……?」


愕然とバスィーム王子を見あげていたら、お腹になにかが当たった。
煌びやかな顔から、ぐんと俯いて下半身を確かめる。

拳が……
褐色の拳が、お腹に。


「……え、パンチ?」
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