婚約破棄されたけど隣国の王子様と飛空艇で世界旅行してる私は超勝ち組!?

白い三日月に照らされた私

「あ゛ぁ」


疲れた。
ただ食堂に座っていろいろな人と挨拶をしただけなのに、疲れた。

私は飛空艇の甲板に出た。空気を吸いたかったのだ。
食堂は夕方から夜になる頃には、しっかり酒臭かった。


「はぁ……キレイ」


夜空は美しい。
満天の星空に浮ているという状況に、あまり感動できない程度には疲れている。

本当に、変な人ばっかり。

手すりにつかまって風を浴びた。
どこを見ても星空だ。右も左も、上も、下も。

目を閉じて風を感じてみる。
深呼吸を繰り返して、今日あった出来事を思い返してみた。
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