婚約破棄されたけど隣国の王子様と飛空艇で世界旅行してる私は超勝ち組!?
「……そんな声、出せるんですね。船長」


やはりこの飛空艇に乗っているのは、色物ばっかりだ。
そんなことより、私、妙な事を言われなかったかな? 気のせいかな?


「ダリヤ。次は水の大国カルディナディアに招かれている。水竜を国神として祀る宗教国だ。先日の『黄金の蛇』をアレンジして『碧き竜の幸』という演目を作った。君が主役だ──まあ座ってくれ」

「やったなダリヤ☆彡」

「素敵よ」

「……えっとぉ」


耳に髪をかけながらきちんと座り、愛想笑いを振りまく。
そんな事をしても、なんも状況は変わらなかった。


「やったわね~ッ! バンビちゃん!!」


レイスが上機嫌で咆えた。
食堂でまばらな拍手が沸き上がり、ルゥルゥがライラを無視して私を目で呪い殺そうとこっちを見ていた。

……こういう目立ち方、肩身、狭い。
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