独占欲に目覚めた次期頭取は契約妻を愛し尽くす~書類上は夫婦ですが、この溺愛は想定外です~
「連さんのことを、……大事に想っています」

私は彼を見つめた。出会って三ヶ月と少し。今、一番素直な気持ちで、正直に彼と向き合っている。

「至らないところも多くあるかと思いますが、連さんが必要としてくださるなら、お傍に置いてください」

連さんが腕を伸ばし、ぎゅうっと私を抱き寄せてきた。
苦しい。息が詰まる。なにしろ、高身長と厚い胸板を持ったたくましい男性。私は非力で軟弱。彼がちょっとでも力を入れたら、私なんかくしゃくしゃだ。

「連さん、くる、しい、です」
「初子、それは愛の告白ととっていいんだな?」

連さんは離してくれない。私は一生懸命背中をぱんぱん叩き、ようやく抱擁を緩めてもらうことに成功した。
腕の中でおそるおそる見上げると、連さんは狼狽えた赤い顔をしている。私からの返事を期待している。

「あの……、好きと言いますか……どなたとも恋愛関係になったことがないので……」
「もしかして、恋かどうか確証が持てないというヤツか!」

元気よく聞かれてとても困ってしまう。だって、そうなんだもの。

「大事で、あなたのことをよく知りたくて、傍にいたいと思います……」
「それは、恋と言い切ってもいいんじゃないか? うーん、でも無理強いはよくないな!」

連さんは抱擁を解き、私の両手を握った。
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