俺様な幼なじみは24年前の約束を忘れない

『ねぇ、なんで あかちゃんがふたりいるの?』
不思議に思って聞いてみた。

『いっぺんに二人生まれてきたの。双子って言うのよ。』

『凌ちゃんの方の赤ちゃんが、お姉ちゃんの莉子(りこ)、晃ちゃんの方の赤ちゃんが 、妹の香子(かこ)。
これから仲よくしてやってね。』

由紀子ちゃんがニコニコしながら、教えてくれた。

ボクの方の赤ちゃんは「莉子ちゃん」っていうのか。

『りこちゃん』

呼び掛けて、もう一度赤ちゃんをじーっと見る。
ボクの指をギュッと握っている小さな手を見ると、なんとも言えない気持ちが沸き上がってきた。

『ねぇ、このこ ちょうだい。』

大人たちは一瞬きょとんとした後、笑いだした。

『ほら このこ こんなにボクのゆびをギュッとしているよ。ボクといっしょにいたいんだって。』

悔しさと恥ずかしさで真っ赤になりながら、さっきよりも、大きな声で言った。

母は、ケラケラと笑いながら、隣の家に行けばいつでも会えるからと言って、取り合ってくれない。
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