俺様な幼なじみは24年前の約束を忘れない

「確かに、莉子ちゃんの司書の話は凌介が持ってきたんだ。
でも、無理に入れてもらった訳じゃない。
本当に一人欠員が出て、図書館の方も求人をかけるところだったんだよ。」

院長先生は困ったように言った。

「僕が口利きしたように、話を持っていったのは、凌介がそうしてくれって言ったからなんだ。
凌介からの紹介だったら、莉子ちゃんは受けないだろうからってね。」

嘘をつくようなことをしてごめんよと、院長先生は眉尻を下げてしょぼんとして言った。

「とんでもないです!
私のために、嘘をつかせてしまって、私の方が申し訳ないくらい。
凌介さんにもお世話をかけてしまって申し訳ありませんでした。」
私は深く頭を下げた。

「あの、院長先生。もし私が、司書を退職するとしたら、凌介さんや院長先生にご迷惑をおかけすることになりますか?」

「莉子ちゃん!仕事を辞めたいのかい?」

びっくりしたように、院長先生は言った。

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