契約結婚のはずが、極上弁護士に愛妻指名されました
動き出した家族の時間
「【実力派弁護士瀬名先生の裏の顔⁉︎ 政略結婚などではない、ただ恋に落ちただけ‼︎】 "テレビで大人気のあの瀬名和臣弁護士が、本誌の取材に対して、自身の結婚について初めて口を開いた。そこで語られたのは新妻に対する熱い想いだった‼︎ 瀬名弁護士は……"」

「お姉ちゃん!」

 週刊誌を手に嬉々として朗読をする姉を、渚は声をあげて止める。
 でも千秋はどこ吹く風だった。

「あら、いいじゃない。この記事なにも悪いことは書いていないわよ。見てここ、"妻を誰にも渡したくないと思いその場でプロポーズしました!" だって、素敵~!」

「お姉ちゃんってば!」

 口が止まらない千秋に渚は頭から煙を出して、鍋に白菜をドバッと放り込む。そしてなんとか姉から週刊誌を取り上げようと姉に向かって手を伸ばした。

「もう、やめてよ、和臣さんだっているに、恥ずかしいじゃない。お兄さんなんとかして~」
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