本能で恋をする~again~

ある日のデート中――――
「凛音。次どこ行く?」
「うーん。そうだな―――あ、海斗!ちょっと待ってて!」
「は?凛音?」

俺の手を離し、後ろに駆けていく凛音。
は?なんだ?

「あの、これ落としましたよ!」
「え?あ、はい。ありがとうございます////」
「いえ!」
きっと凛音がニコッと微笑んだのだろう。
相手の男の顔が赤い。

「お待たせ!海斗」
また、俺の手を握ってきた凛音。
自然に握り返し、
「ねぇ、さっきの何?」
「え?あの人がハンカチ落としたから、拾ってあげたの!」
「それは見ればわかる!だから、なんで凛音がそこまでするの?」
「当たり前でしょ?落とし物なんだから!」
「別にいいじゃん!拾わなくて…」
そこまで言うと―――
バッと手を離した凛音。

「え?凛音?」
「どうしてそんなこと言うの?酷いよ、海斗」
「あ、いや、わりぃ。ただのヤキモチ…」
怒ってる。当たり前か………
「ごめん!凛音」
「もう!次からそんなこと言わないでね!」
「わかった!」

ただのヤキモチ。
凛音が俺以外の人に笑いかけることに、ただヤキモチ妬いたのだ。
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