本能で恋をする~again~
凛音は優しい
凛音は誰に対しても、優しい。

ある日のデート中。
美久の出産祝いを買いに行きたいと凛音が言うので、今デパートにいる。

二人で選んでいると
「海斗!これも可愛い~!」
「あっ、これ素敵!」
「あれも、可愛い~。ほんと赤ちゃんのはちっちゃいねー!」
はしゃいでいる。
「可愛い~。あっ、ちょっと待って!」

タタタ……とすぐそこに行ったと思えば
「取りますよ!」
「え?あ、ありがとうございます」
と妊婦が下に落とした財布を拾ってあげていた。
その妊婦はかなりお腹が大きく、落とし物を取れずにいたのだ。

「はい、どうぞ!あの、迷惑じゃなければお腹触らせてもらえますか?」
「もちろん、いいですよ!」
「ありがとうございます!うわぁ!あっ、今ポンッて!」
「蹴りましたね!最近よく蹴るんですよ!」
「凄い!元気がいいですね!ありがとうございます。触らせていただいて」
「いえ、こちらこそ拾ってくれてありがとうございます!」

「海斗!今蹴ってたよ!凄いね!あの中に赤ちゃんいるって!きみちゃんの時もだけど、感動する!」
「そうだね、凛音」
普通見ず知らずの人に腹を触らせろと言われて、あまりいい気しないだろう。でもなぜか凛音はそうゆう人との壁みたいのを、割ってしまうのだ。


凛音は誰に対しても、優しい。
でもそれは、時には迷惑になることもある。
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