俺のことずっと好きでいろよ
「ふーん…」

ニヤッて笑っていうわたし。

大人になったもんだ。
輝も。

「なんだよ。」

「実るといいね。その恋。」

「実ると…いいけどさ…」

輝はプイッと横を向いて…

「鈍感だから無理だよ。バーカ。」

横向いたままボソッと何かを呟いてた。

「え?なんて?」

「いいよもう。それより帰ろーぜ。」

「そうだね。」

輝と久しぶりに楽しく帰途についた。

胸の奥にはさっきの琉希くんの顔が焼き付いてはいたけど…
だからこそ…楽しくしたかったのかもしれない。

輝が…わたしが深く考えすぎるのを阻止してくれたのかもしれなかった。

ありがとう。輝…。
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