HONEYBEE(1)~アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚~
俺と仙波さんが二人を見送る。
「俺の荷物は適当に取りに行くから…捨てないで下さいよ」

「俺の部屋に忘れ物してるのか?」

「はい…」
「呆れたヤツだな…」

「じゃ」

「彼女と赤ちゃんを頼む…槇村」

「それが俺の仕事ですから…」

救急車の扉が閉まり、サイレンの音を立て幹線道路へと走り出す。

「槇村先生が居て、助かりましたね…」

槇村が居なければ、俺達の手では赤ちゃんは助からなかったと思う。
胎児治療に精通した「東亜」だからこそできる治療法。

今はその方法に賭けるしかない。
「戻ろうか…仙波さん」

「はい」

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