HONEYBEE(1)～アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚～

愛する者の為に…

隼也side~

俺は和樹さんの要請で駅前の飲食店で起きたガス爆発事故で搬送されて来る怪我人の処置をしていた。

「そっちは終わったか？」

「はい」

色んな店がひしめき合う商店街の一角で起きた事故。
次から次へと怪我人が運び込まれて来た。

死亡者、今の処はゼロ。
しかし、その店の店主は重症。
今、和樹さんがオペに入っていた。

「もう少し…他の科からの応援を増やした方がいいな…」

俺は和樹さんの代わりに指示を与えていた。すると、一人の男性が隠し持っていた包丁を取り出して、突然俺に向けた。

怪我人に紛れ、妙な輩が俺達に牙を剥けた。

「此処に、仙波智咲という看護師がいるだろ？」

「お前は!!?佐藤・・・」

何処かで見たコトのある顔かと思えば、仙波さんにつき纏い、彼女に会いたいが為に、何度も自殺未遂して、東亜の救命に搬送されたストーカー男。

「・・・お前は東亜の…」
「おい、佐藤…仙波さんに何の用だ？」

「仙波さんは俺の女だ…早く出せっ！！」