HONEYBEE(1)~アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚~
院長の仕事に重点を置いた隼也さんの帰宅は早かった。
私の料理の手際も大分良くなり、今夜のメニューは肉じゃが、豆腐とわかめの味噌汁、焼きシシャモ、ホウレンソウのお浸しと和食で統一した。

「これは凄いぞ…瑞希…お前の手料理で感動したのは初めてだ。何かあったのか?」

「あ、うん」

隼也さんは凄く喜んでくれた。

「待ってろ。着替えて来る…俺もお前に話がある」

隼也さんは部屋着に着替えようと奥のウォークインクローゼットに行ってしまった。

私はお茶碗にご飯を装おうと炊飯器の蓋を開ける。
炊き立てのご飯の匂いを思いっきり、吸い込んでしまった。
気分が悪くなり、軽い眩暈を起こす。

今まで、こんなコト一度もなかった。

やっぱり、妊娠のせい?

< 218 / 262 >

この作品をシェア

pagetop