あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~
あんこさん…


「まあ…雫ちゃんだから言うけど、今は素直に好きだと思える人がいるの。そばにいたい気持ちもある。だけど…その人と結ばれなくてもいいかなって思ってる。私には仕事があるし、それが生きがいだから」


そんな人、やっぱりいるんだ…


東堂社長…かな?


それも、潔くてカッコいい生き方だと思った。


「でも、雫ちゃんは恋愛するべきだよ。だって若いんだもん。今はまだ誰が好きなのか、はっきりしなくてもいいじゃない。わからないなりに配達に行っといで。そのうち、榊社長なのか、希良君なのか、それとも…雫ちゃんを想う他の誰かなのか…好きな人がだんだんわかるようになるから。だから安心して」


「はい、ありがとうございます。元気もらいました。あんこさんは本当に素敵過ぎます。憧れます…っていうか、ずっと前から憧れ続けてます」


「嬉しいこと言ってくれるじゃない~私も雫ちゃんみたいにイケメン達にモテたいわぁ。さあ、また明日から頑張りましょ!」


私達は後片付けをして『杏』を出た。


本当に…


私の側にいてくれて、支えてくれてありがとう…って、心の中で何度もお礼を言った。
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