二次元に恋するアラサー女子、ついに夢主になるっ!これは夢ですか、現実ですか?!
「そうね、聞かせてもらおうかしら。なぜ私をつけていたのかしら?」

「つける……?」

ジャンクは不思議そうな顔をして私を見た。
素直でまっすぐなジャンクは、何も疑っていない。私のことも、お母様のことも。
少し心が痛むけれど、下手な言い訳すら思いつかないこの状況に私は覚悟を決めて小さく息を吐き出した。

「単刀直入に聞きます。お母様は王様とどういう関係なんですか?王様とどんな関わりが?親しげにしているところを見ました」

「母さんが王様と?」

私の言葉に、ジャンクは私とお母様を交互に見る。ジャンクにとっては寝耳に水だったようだ。
一時の沈黙のあと、お母様は大きくため息をついてから口を開く。

「……そう、見られてしまったのね」

「どういうこと?」

ジャンクだけが話についていけないといった感じで怪訝な表情をする。

「知られたからにはただでは帰せないわね」

お母様はキッチンで包丁を掲げると、そのまま大きく振り下ろす。刃先の残像が、キラリと怪しげな光りを残した。

「きゃっ!」

目の前に血飛沫が飛び、一瞬のことに私は反射的に目を閉じた。
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