言ノ花の森
やさしい笑顔
ふりかえるやさしい日々

絶えなかった笑い声

一緒に行った場所も

押した車椅子も

繋いだ手も



もう遠い過去になっちゃったね

いつも味方でいてくれた

比べたりもしなかった

私を、私として扱ってくれた


駄目人間と罵られたりもしない


苦しかった日々の中で呼吸できた

苦しかった日々の中でだいすきな時間だった


泣いても

泣いても




もう戻れない




ふりかえるやさしい笑顔

写真の先には、あの日のわたしがいた


スマホを片手にあの日のわたしが


だいすきな赤のチェックのシャツを着た笑顔のばあちゃん(孫のわたしたちはそう呼んでいた、大切な呼び名)


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