SINOBI 隠苑の国に咲く花
記憶


「おや、ぼうや。まだいたのかい?」



民家の軒先に丸まって座る5つか6つの少年。

道を通りかかった初老の女がそう問いかけた。



「あんた朝もいたじゃないか。」



今朝出かけに通り過ぎた時と全く同じ場所、同じ体勢で座る彼にそう声をかけた。

ボサボサの髪に、色を無くした瞳。



「なんかあったのかい?」



そう問いかけても返事はない。

< 1 / 14 >

この作品をシェア

pagetop