王子様ができるまで

「じゃ、開けるよ?準備はいい?」

「う、うん!」


慧くんの言葉にスカートの裾をグッと握りしめる。

だ、男子校なんだよね…ここ。き、緊張する!


「そんな緊張しなくても大丈夫だよ。誰もとって食ったりしないから。」


な…!慧くんの口から物騒な言葉が…!


「だから力抜いて?」


そう言って慧くんは私の肩に手を回した。


…うぇ?!

まるで慧くんに抱き寄せられているみたいな格好になり、テンパる私。


「慧くん…あの、手…。」

「ん?」


『ん?』じゃない!!
このままだと私酸素不足で死んじゃうよ…!

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