メガネをはずした、だけなのに
13.最終演奏者

 翌日、クラスメイトたちが気だるい表情を見せていた。


 週末ということもあり、みんな疲れてるのだろう。

 昼休みになって食事をしても、休みの日に何をして過ごすかの話題ばかり。

 楽しそうに休日の過ごし方を話してるけど、私にはやることがあった。


 神社周りの清掃と、参拝者にお守りや絵馬を販売してる。

 いつもじゃないけど、人手が少なくて忙しい時期は頼まれてしまう。

 家の事なのでしかたないと、手伝いはするようにしていた。


 梨木くんの彼女さんに、巫女コスプレイヤーと言われたのは心外でガッカリしたけど、待ち受け画面だけ見たら勘違いされてしまうかも。

 たしかに、巫女のコスプレと言われればそれまでだ。


「お~い!委員長はいるか!」


 教室に入った所で、先生が声を張り上げてる。

 みんなが私に注目する中で、立ち上がり返事をした。


「はい、なんですか先生」


「メシ食ったか?」


「ちょうど食べ終わったばかりです」


「そっか、頼みたい仕事があるから付いてこい」



「はい……」



< 144 / 184 >

この作品をシェア

pagetop