メガネをはずした、だけなのに

「はい、私です……」


 先生は私の顔とプロフィールの紙を交互に見返してる。

 そして、とんでもないことを口にした。


「よし、綿貫が委員長をやれ」


「……ええぇ!」


「じゃあ決まり、みんな拍手」


 パチパチと教室内に響く拍手は、あまり歓迎されてない。

 誰でもいいから決まって良かった、ぐらいの印象。

 でも、なぜ私が委員長に選ばれたんだろうと、疑問に思ったので先生に聞いてみた。


「すいません、どうして私が委員長なのでしょうか?」


 先生は無表情で私に向かって言い放つ。


「綿貫は中学生の時に学級委員長の経験もあるみたいだし、初心者がやるよりいいだろ」


 あきれて言葉が出ない、前期だけでもいいからと押しつけてくる。


「たのむよ綿貫、副委員長に相葉 亮太(あいば りょうた)をつけるから。なっ、頼む」


 中学生の時に副委員長の経験があるとかで、男子生徒の相葉くんが選任された。

 ゆるぎない決定事項のようで、何を言っても(くつがえ)りそうにない。



 B組の副委員長に相葉くんが選ばれたけど、後に私の大きな負担になってくる……



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