メガネをはずした、だけなのに

「まあ、クラスはちがうけど、先生は一生懸命な奴を応援したいだけなんだ」


「そうなんですか、それで……」


 A組の担任教師は、賢斗くんのために動いてくれなかった。

 生徒のために、めんどくさい事や頭を下げてお願いしに回るのが嫌いなんだね。

 B組の先生は、態度や言葉が悪くて外見も怖いけど、生徒のために一生懸命やってくれると校内でも評判だった。


 新入生の私は、時間がたってから色々と周りの人に聞かされたんだよね。


「綿貫」


「はい!」


「お前、相葉に感謝しろよ」


「えっ、どうしてですか?」


「だってよ、桜井が留学できることになったのは、相葉が生徒会と一緒に校長のところへお願いに行ったからだろ」



「そうなんですか……」



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