毒舌王子は偽りのお人形の心を甘く溶かす


「付き合ったらまた話すから、そのときは聞いてくれる……?」


恥ずかしくて話せることは限られてくるだろうけど。
二人が喜ぶなら慣れないことも少しは頑張ろうと思う。

二人は恐る恐るといった様子の私になぜか興奮したらしく、


「きゃー!!可愛い!!可愛くないって誰が言ったの超可愛いよ!!もちろん聞くに決まってるよ!!」

「千夏はうるさいけど全面的同意。かれんの話は鬱陶しい惚気話でも聞くよ」


背景があればハートがたくさん散りばめてられそうだ。

そこへカビでも生えさせてそうなじめじめオーラを出した慎くんが続く。


「俺は心理的にキツいんでパスで……」

「なんで坂本くんもいる前提なの。ガールズトークに決まってるでしょ」

「霧生はどうしてそう俺にあたりが強いの?俺なんかしたっけ?傷心中の俺に対してもっと優しくしてくれても良くない?」

「優しくするメリットがない」

「この人も怖い……」

「ぷっ……ははっ!!」


堪えようとして堪えきれなかった笑いが部屋に響き渡る。


普段あれだけちやほやされている慎くんが、ここではちっちゃくなっているのがなんだかツボで笑いが止まらない。


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