毒舌王子は偽りのお人形の心を甘く溶かす


凛ちゃんが余裕の表情で席につき、なっちゃんは瀕死の状態で机に突っ伏した。
それらを確認したあと先生のところへ向かうと、無言で成績表を渡される。


恐らくは何か言いたいことがあるのだろうが、わざとらしく褒められて周りにバレるのが嫌だからやめてほしいと念押ししているのだ。


「ありがとうございます」

と一言だけ残し、席について結果を確認。

校内の順位はいつもと変わらない。
全国の順位は……四位か。
微妙すぎてなんとも言えない。

なりたいものがあるとか絶対一位がいいとか、そういうわけじゃないからどうでもいいんだけども。


「かれんちゃーん!」


例のごとく唐突に飛びついて抱きしめてくる。
本当ならくっつくなと引き剥がしたいところだが、自分もたまに人にやる身のため、優しく抱きしめる。


「仲間同士、慰め合おうね!スイーツ食べに行こう!」

「わぁ、それいいね!楽しそう〜、凛ちゃんも行こう!」


勝手に仲間認定されていて、しかも嫌いなスイーツを食べるとは……しかし拒否権がなさそうなのでここは巻き込むこととする。


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