クールな副社長の秘密~偶然知ったら溺愛されて妻になりました~
 終業後、桃華と美奈は一階のエントランスで絵理香を待っていた。

 桃華は、今日も控えめなオフィスカジュアルだ。美奈は、ひっそりと過ごしていた時の癖で会社では制服を着ている。そして、桃華が初めて見る美奈の私服は、フワッとした可愛らしいピンクの膝丈ワンピースだった。

「わぁ。美奈ちゃん可愛いお洋服」

「ありがとうございます。可愛いワンピースが好きなんです」

「似合ってる」

「モモちゃんも似合いそう」

「私、今までお菓子とパンにしか興味がなくて。今度美奈ちゃんが選んでくれる?」

「もちろん」日に日に仲良くなるふたり。

「お待たせ~」

 そこに、完璧なお姉さまスタイルで現れる絵理香。化粧直しも服装も完璧だ。

「絵理香さん綺麗ですね~」

 美奈が感心している。その横で桃華も頷く。

「美奈ちゃん、お世辞でも嬉しい。美奈ちゃんも可愛いワンピース」

 女三人盛り上がる。

「そろそろ行きましょうか」

「絵理香、大丈夫だった?」樹と社長のことだろう。

「大丈夫よ」

 三人は指定されたお店を目指した。
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