クールな副社長の秘密～偶然知ったら溺愛されて妻になりました～

　入室する桃華と三人の男性。みんなの注目が集まる。

　会議室内の、特にミキタニの社員達からの視線が刺さる。桃華に期待する視線もあるが、問題の女性ふたりは事もあろうか桃華を睨みつける。

　自分達のミスが引き起こした事態だが、桃華の存在が面白くない。その様子にめざとく気づいた洋子は呆れる。

　そこに、桃華の堂々とした声が響く。

「本日は、お忙しい中お集まりいただきありがとうございます。私(わたくし)、ミキタニ商品企画部の相川桃華と申します。今回の催事の件でご提案させていただきたく参りました」

「どういうことだ？」営業部長が先を促す。

「はい。今回の催事に参加していただけるお店を三店舗ご紹介させていただきます」

「はぁ？」思わず素っ頓狂な声を上げる部長。

「花田くん黙りなさい。相川さんどうぞ」

　変な声を上げる営業部長を注意し、社長が場を仕切り桃華に発言を促す。

「今回の催事まで時間は少ないですがご協力いただける事になりました。お一人目は、芦屋でベーカリーショップを」とここで、桃華の声を遮る声が上がる。

「ポールじゃないの！」と洋子が叫ぶ。

「洋子久しぶりじゃないか」

　ポールと洋子が再会を喜ぶ。

「ポールが協力してくれるなんて奇跡だわ。私が何回お願いしても協力してくれないじゃない」