クールな副社長の秘密~偶然知ったら溺愛されて妻になりました~
 本社は、大阪駅から徒歩五分の立地に建つ自社ビルだ。

 桃華達が入社した年に移転した本社は、オシャレでまだ新しい。

 ふたりがエントランスに入るとあちこちから声が掛かる。

「モモちゃんおはよー」「エリちゃんおはよう」

 ふたりはいつもの事なので、
「「おはよう」」と返し気にする様子もなくエレベーターに並ぶ。

 商品企画部の桃華は7階、秘書課の絵理香は32階だ。

「桃華お昼にね~」

 先に降りる桃華に声を掛けた絵理香。

「うん。お先です~」

 絵理香に返事をしてから、エレベーターに乗っている他の人に声を掛けながら降りていく桃華。

 そんな桃華に見惚れる男性陣。

 絵理香は、桃華の無自覚ぶりにいつもハラハラさせられる。




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