クールな副社長の秘密~偶然知ったら溺愛されて妻になりました~
「どうしてだ?」

「まだ確証がありませんし、そもそもの原因が副社長なので、副社長が動くと余計にややこしくなる気が……」

「そうかも知れないね」と顎に手をあて考え込む部長。

「会社内に防犯カメラはあるんですか?」

「ああもちろん。だが、それを確認するには許可がいるんだ」

「部長ではダメなんですか?」

「僕だけでは無理だね。そうだ!」

「??」

「副社長がダメなら、藤堂くんに相談しよう」

「ええ?藤堂くんって、副社長秘書の?」

 それは、もっとややこしい事になるのではないかと思った。気持ちが顔に出ていたらしい。

「そうだよ。秘書室の室長だから彼女達の上司でもある。大丈夫。副社長には内密にしてもらうから」

「はあ」

 本当に大丈夫なのだろうか?

 でも、何か支障をきたしてからでは遅いのだ。

「何かわかったら報告するよ」

 部長は桃華を残し会議室を後にした。

 部署に戻っても部長の姿は見えなかった。

 さっきまで静かだった部署内は、外出から戻って来た人で先程よりは賑やかになっていた。

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