クールな副社長の秘密~偶然知ったら溺愛されて妻になりました~
「桃華の驚きはなんだ?何回も言ってるだろ?」

「まさか、このタイミングで社長に言うとは思ってなくて……」

「桃華を捕まえとくために先手必勝だよ」

「……」

 ふたりのやり取りを見てもなお固まったままの社長。

「親父、そんなビックリした顔してどうした?」

「驚くだろう……。海外から帰って来て一年、パンの事ばかりで女性の影が全くなかったお前がいきなり女性を連れて来たんだぞ。しかも、見たことのないような優しい顔をして」

「原田さんにも言われたな」

「原田って京か?」

「ああ。明に早く報告してやれって言われた」

「何で先に京が知ってるんだよ」

「先週、奥さんが桃華と仲良くなって、自分の息子の嫁にって思ったらしいから、しっかり断った話の流れから」

「呼び方は桃華さんでいいかな?」

「はい」

「洋子ちゃんに気に入られるとは凄いな」

「??」

「桃華、さっき言っただろう?中々奥さんの方と仲良くなるのは難しいんだ」

「はあ……」

 社長と樹に凄いと言われようがあまりピンと来ない。


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