転性悪役令嬢~昼は少年、夜は少女~破滅フラグ回避頑張ります
「指を使わなくても計算できるんだ」
「2桁だろうが3桁だろうが、もう全然怖くないんだよ」
「もっと早く計算できるようになれば、高等部文官コースに進んでもいい成績で卒業できると思うんだ」
 そっか。勝負に勝つ勝たないとかじゃなくて、純粋に自分の成長が楽しいんだ。
 ごめんな、ちょっと怖いとか思って。
「勝負だ、リザーク!」
「勝負よ!リザーク!」
 ……。マージとサーシャ……。
「負けませんよ、リザーク」
 に、フレッド。お前たち、もうそろそろ三馬鹿トリオって呼ぶぞ。……あ、心の中だけでね。うん。
■71
「じゃぁ、同じ問題を用意し」
「持ってきました!」
 じゃーんと出すサーシャ。
「俺も作ってきたぜ!スペシャルバージョンだ!」
 と、100マスどころか240マスくらいあるのを取り出すマージ。
「クラスみんなでできるようにたくさん用意してきましたよ。ちょっと手伝ってもらいましたけど」
 フレッドはさすが王子てきな気遣いで、クラスメイトの問題も準備したようだ。すごい量。誰に手伝ってもらったんだろう。
 フレッドが用意した問題は生徒たちに飛ぶように売れた。いや、売ったわけじゃないけど。すんごいやる気。
「じゃ、勝負な、勝負。よーい」
 あ、はい。やっぱり強制参加ですか。うぐぐ。
「どんっ」
 8、7、6、10、12、13、9……ほいほいほいーいっと。
 次の数字見ながら計算した数字をかきこむ。っていうか、書く時間もったいないくらいだ。ああ、覚醒だよ。
 なんだろう、そうか。私も問題と模範解答作りでかなり昨日は100マス計算やったもんなぁ。頭が計算脳になってる。
「できた」
「ぐあー、負けた!」
「さすがリザークですわ。私も早くなったと思ったのですが」
「もう1回やりましょう」
 ガラリと、ソフィア先生が教室に入ってきた。
「おはようございます、皆さん、えーっと、授業を始めますよ?」
 いや、100マス計算の途中でストップするのはこう、気持ち悪いのは分かるけど、おーい、みんな。先生戸惑ってるから。手を止めて顔を上げようか?ほ、ほら先生、無視されたと思ったみたいで涙目になって……。
「まずは、計算練習をしましょうか。テストは足し算と引き算です。問題数も、クラス分けテストよりは多くなりますから、スピードもないといけません」
 フレッドがびしっと手を上げた。
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